LOIRE Touraine
Map-Touraine

このロワール中流域には有名な城館とほぼ同数の栽培地がある。王侯や領主の館は、ロワール河の河岸かその支流の合流点にある。

葡萄畑の多くも又同じところにあるので、この地区のAOC名称は、城館の名称とその地方の名称を結びつけたものが多い。

大西洋から150Kmしか離れていないので、海洋性の気候の影響を受けるが、東側は、厳しい冬と暑い夏という大陸気候の性格をも持ち、それにロワールとその支流がもたらすミクロクリマ(微気候)が加わるので、ワインは一様ではない。

 

AOC詳細

Touraine トゥーレーヌ

Touraine
このAOCは、地図のピンク色で示した全地域で産出されるが、多くは中央の地区で造られる。
一般的に気軽に飲めるワインで、安価だが、個性に乏しいきらいがある。造るワインは総て若飲みタイプ。

<赤>は、ガメイが60%以上を占めるが、カベルネやコットを混ぜてより腰のあるものにしている。総体にフルーティーで軽快なワイン。プリムール(新酒)も出している。
<白>は、80%近くがソーヴィニョン・ブラン主体の辛口とかすかに甘味を感じさせる半甘口。甘口もあるが極僅か。フルーティー&フレッシュでソフトなもの。
<ロゼ>は、スパイシィーで、フルーティー&フレッシュ。
<発泡ワイン>は、「瓶内二次発酵」のシャンパーニュ方式で造る。9ヶ月以上の熟成が必要。多くは、上品な香りを持つをシュナン・ブランから造られる。
Touraine Mousseux (トゥーレーヌ ムース)のAOCを名乗っている。

生産量
 267,079hl 赤45%、白40%、ロゼ7%、泡8% (4,618ha)
主品種
 <赤・ロゼ>ガメイ、カルベネ・フラン&ソーヴィニヨン、ピノー・ドーニス、コット、ピノ・ノワール。 <白>ソーヴィニョン・ブラン、シュナン・ブラン、シャルドネ。<泡白>シュナン・ブラン、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ。 <泡ロゼ>カベルネ・フラン、ガメ、コット、グロロー。

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* 以下の<Touraine>をハイフォンで繋げるACは、ほぼ同タイプ。(生産量は少ない)

 

Touraine Mesland

  (トゥ-レ-ヌ・メラン)
<トゥーレーヌ地区>の東の端、アンボワーズとブロワの間、ロワール河右岸にある6ヶ村のACは、辛口の<白>と<赤・ロゼ>をほぼ半々に造っている。若飲みタイプ。
生産量
 2,623hl (62ha)

 

Touraine Amboise

 (トゥ-レ-ヌ・アンボワ‐ズ)
この地にある美しいアンボワーズ城は、王侯物語にはこと欠かないが、 レオナルド・ダ・ヴィンチが晩年過ごしたことで有名。
7つの村を含むこのAOCは、1939年に認定で古い。<赤・ロゼ>が中心、辛口<白>もある。
なお、「Cuvee Francois Premier (キュヴェ・フランソワ・プルミエ)」とラベルに表示されたワインがあるが、ガメ、カベルネ・ソーヴィニヨンとコット3種をあわせて造る<赤>で、4~5年の熟成がベター。
生産量
 12,114hl (218ha)

 

Touraine Azay‐le‐Rideau

 (トゥ-レ-ヌ・アゼ・ル・リド‐)
アゼ・ル・リド‐は、その美しい城館で、ロワールの古城めぐりの観光では欠かせない。この地はバルザックの「谷間の百合」の舞台でもある。
このACは8つの村を含み、シュナン・ブラン種100%で、辛口ないし薄甘口の<白>を造る。
ボディーのしっかりしたワインで、10年程度の熟成が利く。1976年から辛口の<ロゼ>も認められた。
生産量
 2,623hl (62ha)

 

Touraine Noble-Joue

 (トゥ-レ-ヌ・ノーブル・ジュエ)
地図には表示していないが、トゥール市の東、シェール川とアンドル川の間の5ヶ村で造られる<ロゼ>のAC。
2001年ACに認定された。使用品種は以下の3品種が必須。ピノ・ノワール10%以上、ムニエ40%以上、ピノ・グリ20%以上。
ワインは淡い色調のロゼで、フルーティで溌剌としていて、ボディーもしっかりしている。若飲みタイプ。
生産量
 1,424hl (22ha)

 

Valencay

 (ヴァランセー)
2004年VDOSからACに昇格した。地図上では、南東端のグレー表示の地区。
産するワインは赤、白、ロゼ。赤が3分の2。<赤・ロゼ>はガメ、ピノ・ノワール、コット主体。<白>はソーヴィニヨン・ブラン主体の辛口。共に若飲みタイプ。
生産量
 7,157hl (142ha)

 

Chinon シノン

Chinon(シノン)

ロワールでも美しい魅力的なこの地には、丘の上に、ジャンヌ・ダルクで知られるシノン城がある。ラブレーの故郷でもある。

ロワールで最も名高い<赤>ワインの産地。支流のヴィエンヌ川がロワール河に合流する一帯の19の村で構成されている。
畑はヴィエンヌ川右岸にあり、基本的には石灰質丘陵。丘陵の方位・傾斜の違いで、早飲みタイプと熟成タイプがある。

カベルネ・フランから造られる<赤>ワインは、濃いルビー色で、新鮮な果実香が溢れ、口当たりもソフト。
量は少ないが、<白>と<ロゼ>もある。

AOCの正式な格付けではないが、固有の名前を名乗る特別畑がある。以下は昔から有名な畑(Clos)。

Saint-Louans, Echo, l’Olive,
LaRoche-Honneur Les Picasses, Les Saint-Paul,

生産量
 113,780hl (2,360ha)
主品種
 <赤・ロゼ>カルベネ・フラン&ソーヴィニヨン <白>シュナン・ブラン

Bourgueil  ブルグイユ

Saint-Nicolas-de-Bourgueil

この地の葡萄栽培の歴史は古くローマ時代に遡るが、飛躍的発展を遂げたのはベネディクト派のサン・ピエール修道院による。
この修道院は、次第に領地と葡萄畑を拡大し、18世紀末まで、この地方に強大な勢力を誇った。
シノン同様、ロワールを代表する<赤>ワインである。

カベルネ・フランが主体だが、カベルネ・ソヴィニョン(10%以内)の使用も認められている。
ワインはシノンと同質で、色は濃いルビー色、カシスの香りを持ち、清涼でフルーティー。若飲みタイプと長熟タイプの2種類ある。長熟タイプは、骨格がしっかりして力強い。
ここも畑の位置や土質の関係で一様ではないが、生産者による違いの方が大きい。
量は少ないが、非常に良質な<ロゼ>も産す。

生産量
 69,843hl (1,405ha)
主品種
 カルベネ・フラン&ソーヴィニヨン

Saint-Nicolas-de-Bourgueil

 サン・ニコラ・ド・ブルグイユ
このACは、<ブルグイユ>の西側にある別のAOCである。
河岸からは離れているが、南に面した葡萄畑は、森に囲まれていて北風から守られ、穏やかで温暖なミクロクリマ(微気候)に恵まれる。
同じ品種で同じ造りをするブルグイユと同質だが、この微気候と土質の若干の違いで、一般には<サン・ニコラ>の方がタンニンも多く、力強いと言われて、長寿タイプが多い。
生産量
 57,552hl (1,058ha)

Cheverny シュヴェルニィ

Cheverny

ロワール河左岸、ブロワ(Blois)の南に広がるこのACは、、VDSQ地区だったが1993年AOCに昇格した。
産地の中心のシュヴェルニー村には、美しい城館・シュヴェルニィ城がある。周囲の森は古くから有名な狩猟場で、馬でも有名である。

ロワール河の砂土と小石からなる古い台地にある畑から、赤・ロゼ・白を産す。
<赤・ロゼ>は、ガメイとピノ・ノワールを使う。色鮮やかなフルーティな軽快なワイン。ロゼは辛口。
<白>は、シュナン、シャルドネを使い、香り高いフレシュな辛口。 共に若飲みタイプ。

生産量
 25,205hl (532ha)
主品種
 ガメイ、ピノ・ノワール <白>シュナン・ブラン、シャルドネ

Cour Cheverny

(クール・シュヴェルニィ  60ha)
これは、ロモランタン(Romorantin)種という地元種を原料とする辛口<白>ワインだけのAC。
ワインは若いうち溌剌としているが、熟成を経るとレモン、蜂蜜の香りが現れ、円やかな口当たりで酒質が上がる。飲み頃は5~6年。
生産量
 2,377hl (48ha)

Coteaux du Loir コート・デュ・ロワ‐ル

Coteaux du Loir

トゥールの町の北部、ル・マンの町の南、ロワール(Loire)本流ではなく、その北に沿って流れる支流のロワール川(終わりにeの無いLoir)の中流域の22ヶ村に広がる81haの畑の小地区だが、中世のシトー派の修道士の開墾と言う歴史を持つ。

広大な森林地帯であったから、畑は森に囲まれ、谷に隣接した丘陵の南向き斜面に多くの畑があって、北にありながら、穏やかな気候に恵まれている。

粘土の混ざった石灰岩土壌で育つ葡萄で、赤、ロゼ、白を造る。
<白>は、霧を生む谷間の畑の貴腐葡萄から造る長寿の甘口<白>ワイン。
<赤・ロゼ>香り高く、フルーティーで軽やか、主品種のピノ・ドーニス種が明るいルビー色を呈し生き生きしている。共に若飲みタイプ。

生産量
 3,366ha (81ha) 
主品種
 <赤・ガメ>ピノー・ドニス、カベルネ・フラン、ガメ、コット <白>シュナン・ブラン、ピノ・ブラン

Coteaux du Vendomois 

(コトー・デュ・ヴァンドモア)
<コトー・デュ・ヴァンドモア>は、2001年VDOSからACに昇格した。地図上では、<コート・デュ・ロワ‐ル>の東のグレー表示のVDOSの地区。
支流のロワール川の両岸に畑は広がっている。産するワインは赤、白、ロゼ。
<赤>はピノ・ドーニス主体(40%以上)、カヴェルネ・フラン、ピノ・ノワール、ガメの3品種を必ずを混ぜる。
<ロゼ>はピノ・ドーニス主体。<白>はシュナン・ブラン、シャルドネ。ロゼは若飲みタイプ。赤・ロゼの飲み頃は3~10年。
生産量
 7,5717hl (142ha)

Vouvray ヴーヴレイ

Vouvray

ロワール河とその支流、シス川とブレンヌ川が作るマクロクリマ(微気候)が繊細な辛口の<白>ワインを生み出す。
畑は川に面した南に向いた石灰岩の斜面。8つの村が含まれる。

使用品種は、シュナン・ブランの単品種100%。琥珀色で、すももの香りを持ち、やや甘味を感じる辛口。熟成タイプ(10年以上)と早飲みタイプの2つがある。
豊作年にだけに造られる貴腐ワインがあり、これは長寿で傑出した白ワイン。「Moelleux (モワール)」と呼ばれている。

<発泡ワイン>も造っている。シャンパーニュと同じ、「瓶内二次発酵」方式で、12ヶ月以上の熟成を必要とする。鮮やかに輝く麦藁色で、軽やかで心地よい味わいを持ち、香り豊かで洗練された魅力がある。多くは若い内に飲むタイプだが、熟成にむくものもある。
以下の別のACを名乗っている。

<Vouvray Mousseux (ヴ-ヴレイ・ム-ス)>
<Vouvray Petillant (ヴ-ヴレイ・ペティヤン)>*弱発泡性。

葡萄栽培の技術を教えたことで歴史的に有名な聖マルタン(Saint Martin)は、372年、「マルムティエ修道院(Abbeye de Mamoutier)」を創設したと言われるが、その修道士が石灰岩の崖を掘って作った穴居がこの地には数多く残っていて、現在、酒蔵として利用されている。

生産量
 白:52,383hl (996ha)、泡:81,649hl (1,165ha)
主品種
 シュナン・ブラン

Montlouis-sur-Loire モンルイ・シュル・ロワール

Montlouis-sur-Loire

ロワール河を挟んで<ヴーヴレイ>の対岸。中州状の平坦な砂質系土壌の畑がこのAC。
使用品種シュナン・ブラン100%で、<ヴーヴレイ>と同じタイプのワインが造られる。
<ヴーヴレイ>に比べると、畑の地形が平坦で、受ける日差しに大きな違いがあるから、幾分柔らかく、厚みが少ないと言われている。単独のAOCになったのは、1938年。

この地も<発泡ワイン>と<弱発泡ワイン>を造っていて、それぞれ、下記にようにAOCを名乗っている。

<Montlouis-sur-Loire Mousseux (モンルイ・シュル・ロワール・ム-ス)>
<Montlouis-sur-Loire Petillant (モンルイ・シュル・ロワール・ペティヤン)>(弱発泡)

生産量
 10,156hl (239ha)
主品種
 シュナン・ブラン

Jasnieres ジャスニエ-ル

Jasnieres

<コート・デュ・ロワール>の北にあるこの小地区もシトー派の修道士の手で発展した。現在の畑の規模もルイ14世統治時代に作られた地図と殆ど変わっていない。

この地も森に囲まれた南向きの斜面に畑があって、多くのミクロクリマ(微気候)を持つ穏やかな気候を享受して、シュナン・ブラン単品種の貴腐ブドウから、甘口<白>を造っている。

ワインは、鮮やかな黄金色で、柑橘類の香りを持ち、酒肉がしかりしていながら柔らかで滑らかな口当たりを持つ。繊細で品格のあるユニークなワイン。10年以上の長期熟成タイプ。

生産量
 2,888hl (65ha)
主品種
 シュナン・ブラン
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