ナポレオン と タレーラン そして シャプタル

ナポレオンは、ヨーロッパを征服した軍事的天才、世紀の大英雄として語られることもあれば、戦乱の巷で多くの兵士の死を招いた人喰い鬼として罵られることもあった。
しかし、戦歴は別として、新時代の基盤になる諸制度−民法典の制定、司法・行政改革と官僚機構の整備、会計検査院、大学制度、フランス銀行とジェルミナール・フラン金貨、壮大な各種の土木建築公共事業、農業と工業の産業改革政策、そしてレジオンドヌール勲章−を打ち建てたことも事実である。
「革命の申し子」を自認する彼は、フランス革命の理想とイデオロギーを現実の制度として定着させた実務家であった。
その理想の旗印の下に、封建制度との闘いをヨーロッパ中に拡散させた革命の輸出家でもあったことも認めないわけにはいかない。
このナポレオンの陰で活躍した2人の人物がいる。一人は外交で、もう1人は内政で。共にナポレオンの独裁が始まると袂を分ち野に下るが、ナポレオン失脚後、返り咲いて、激動する時代のフランスに多大な貢献をするのである。
それは、タレーランとシャプタルである。
「ナポレオンの愛飲酒はシヤンベルタン」とよく言われ、陣中でもこれを欠かさなかったと伝えられている。ブルゴーニュの中でも、シヤンベルタンは最も勇壮なワインとされているから、そうしたワインの性格が英雄の飲むワインにふさわしいということからだろうか、シヤンベルタンはナポレオンの名と結びついて名声が世界に拡がった。
しかし、この伝説には異論がって、「ナポレオンはワインを水で割って飲んでいたし、だいいち彼の進軍は早すぎたからワインの荷が追いつかず、いつも地酒でがまんしたはず」だと書
かれたものもある。