ボージョレで産するワインは殆どが赤である。ボージョレは、風土といい、葡萄品種といい、ワインのタイプといい、コート・ドール等に象徴されるブルゴーニュとは違った独立のワイン王国と言えなくもない。
ボージョレ地域の広さは、南北55km、東西15kmで、22,000haの葡萄畑が96ヶ村にまたがっている。この葡萄畑の広さは、ブルゴーニュのAC畑全体のほぼ半分に相当する広大なものである。産出量も膨大だが、半分は輸出されている。
ボージョレもワイン造りでは古い歴史を持つが、その名を世界に知らしめたのは、第2次大戦後のこと。
それは、この地方に住む人の葡萄栽培に掛ける熱意と共に、ボジョレーが「美食の町・リヨン」に近く、食材倉庫ような役割を担い、その味覚と深く結びついていたからと言われている。
きれいな濃紫赤色、豊かな果実香、それに爽やかな酸味を添えたボージョレは、一つのワインの世界を作っている。その源は葡萄品種である。ボージョレの赤は<ガメイ種>の単品種から造られる。ガメイ種は他の地域ではこのような素晴らしいワインを生まないが、ボーショレの花崗岩質土壌がこの品種に最高にマッチし、独特の性格を形作った。
気候的にもブルゴーニュの中では最も恵まれており、変化に富んだ葡萄畑の丘は、風光明媚なことでも有名。
Beaujolais
(ボージョレ)
「すざましい人気」といっても言い過ぎでない「ボージョレ・ヌーボ」はボージョレの全生産量の3分の1(1億5千万本)を占める。
ボージョレのワイン生産は、ブルゴーニュ全体の生産量の3分の1を占めているのだから、いかに膨大な量であるか想像できよう。このヌーボは、「マセラシオン・カルボニック」と言うボージョレ独特の醸造法で作られる。
フル・ボディのワインを一寸飲み慣れると、「ワイン・ジュース」 等と蔑視する人が少なく無いが、刺身、天麩羅、鮨などにもよく合うから、TPOを選ばず気軽に楽しめるワインの代表格として、日本人に人気があるのは、宣伝に踊らされた以上のものを持っている。
<生産量> 赤&ロゼ 656,340hl 白 9,060hl (合計10,325ha)
Beaujolais Villages
(ボージョレ・ヴィラージュ)
ボージョレ地区北部の39の村で造られるワインで、ボージョレ全体のワインの26%を占める。通常のボージョレより若干アルコール度が高く上質。価格もささやかだが高め。丁寧に造られたものはその差ははっきりしているが、造リ手による差が大きい。
ヌーボも大量に送りだされるから、いいものに出会えば、ゴクゴク飲む興奮が倍加される。
<生産量> 赤&ロゼ 361,390hl 白 2,980hl (合計6,153ha)
*< Beaujolais Superieur>と言うACがあるが、最低アルコール度が、0.5%高いだけで、あまり気にするほどの意を持たない。気を配りたければ、生産者を選ぶ方がはるかに大切。
Cru-Beaujolais
(クリュ・ボージョレ)
<マセラシオン・カルボニック>
収穫された葡萄を、房のままつぶさず醗酵タンクに入れ、密閉する。葡萄自身の重みで下部の方から自然につぶれ、その果汁が醗酵し出す。
そして、
その際発生する炭酸ガスを逃がさず、タンクに充満させ、3~4日そのまま放置する。
炭酸ガスによって、呼吸が出来なくなった葡萄は変化を起こし、通常の醗酵では得られない芳香や成分が生まれる。この数日間の密閉状態の後、果実をつぶして搾り、タンクの中で通常の醗酵を行う。
この方法によって、香りの良さを保ちながら、揮発性の酸を押さえ、糖分の残滓がない早く飲めるワインができる。又、果皮から出るタンニンが押さえられるので、渋みの少ない口当たりの良さも加わる。残糖は葡萄液に多いと、壜詰後も再発酵し安定性を欠くことになる。
この方法による醸造が、ボジョレーでは今盛んに行われている。が、全てこの方法を採用しているわけではない。古くからの伝統的醸造法で素晴らしいワインを造っている所も少なくない。それが、<Cru Beaujolais>である。




