フランスワイン事典
Bordeaux ボルドー
メドック Medoc グラーヴ Graves アントル・ドゥ・メール Entre-deaux-Mers ブライ・ブール Blays・Bourgeais リブルネ Libournais AOC格付け 品種 シャトー・システム 歴史
ボルドー地図
ACポイヤック格付けシャトー

 

格付け1級

 Ch. Latour

ラトゥール
1963年英国のピアソン・グループのここの買収には時の大統領ドゴールの決断を要した。運営管理は、ポイヤック生まれの実務家名手ジャン・ポール・ガルデールと学究型の醸造技師ジャン・ルイ・マンドロウに任された。異質の二人は、「今日の伝統は昨日の前進、今日の前進は明日の伝統」」と言う哲学を掲げ、畑の改良と、醸造所の改新を行い、ワインに磨きをかけた。
ワインは、ポイヤックの典型、いやボルドーの赤の極上ものの典型。ラフィットが女性的だとすれば、ラトゥールはまさに男性的ワインと言われている。1993年大手流通業者フランソワ・ピノ氏の手に移る。管理者は現在フレデリック・アンジュレ。

<品種>ソーヴィニヨン75%、メルロ20%、フラン4%、プティ・ヴェルト1%
<生産量>36,700ケース
<セカンド・ラベル>Les Forts de Latour (10,000ケース)

 

Ch. Lafite-Rothschild

ラフィット・ロートシルト
18世紀に、フランス宮廷でボルドーワインの真価を最初に認めさせるのがこのラフィット。このメドックの誇りを地元で獲得しようとボルドーの酒商たちがシンジケートを組んで競売にに臨むが、結局1868年、パリ・ロスチャイルド家が隣の畑カリュアードを含め444万フラン、それに、税金その他40万フランを上乗せして取得する。(ちなみに、1936年のマルゴーが130万フラン、53年のムートンが112万フラン) 60~70年代一時期停滞したが、75年以降回廊式セラーを新設、伝統を重んじつつ新技術の導入が計られた。 ワインは、ラトゥールと比較して論じられるが、優美・洗練・気品の点で王座を譲らない。究極のワインであることに変わりはない。

<品種>ソーヴィニヨン70%、メルロ25%、フラン3%、プティ・ヴェルト2%
<生産量>55,000ケース
<セカンド・ラベル>Carruades de Lafite-Rothschild

 

Ch. Mouton-Rochschild

ムートン・ロートシルト
1922年、ここを引き継いだフィリップ男爵は、ロンドン ロスチャイルド家が1853年取得してから、ぼぼ100年後の1973年、唯一の例外の格付け2級から1級に昇格させる。彼は、それまで業者に瓶詰めを行わせていたものを、1924年、他のグラン・クリュのシャトウーにも呼びかけ「シャトー元詰め」を実施。ラベルも著名画家のものに変更する。
現在は娘のフィリピ-ヌが立派に引き継いでいる。ワインは、ポイヤックの真髄、カルベネの比率高く、濃厚にして豪華、「25年経たないとムートンではない」と醸造長に言わしめるほどの遅熟長命。

<品種>ソーヴィニヨン80%、メルロ8%、フラン10%、プティ・ヴェルト2%
<生産量>23,000ケース
<セカンド・ラベル> Le Petit Mouton

 

格付け2級

Ch. Pichon-Longueville-Baron

  (ピション・ロングヴィル・バロン
16世紀半ば、「葡萄の魔術師」と言われたローザンのが持っていたこの畑を、ビション・ロングヴィル家に嫁ぐ娘に持たせたもの。19世紀後半2つに分けて親族が受け継いだ。一つがこのバロン、もう一つがコンテス。畑はラフィットの西隣に位置している。
近年シャトーは荒廃し、ワインも落ち目だったが、1987年AXAが買収、昔の華麗さを取り戻した。J.M.カズが醸造所を新設、ポイヤックらしい男性的なワインが復活、評価は急上昇。

<品種>ソーヴィニヨン75%、メルロ25%
<生産量>20,000ケース
<セカンド・ラベル> Les Toureiles de Pichon

 

Ch. Pichon-Longueville Comtesse-de-Lalande

ピション・ロングヴィル・コンテス・ラランド
コンテスの畑は、バロンの西側に広がっている。1925年ボルドーの老舗の酒商ミアイユ家が購入。その娘のマダム・ド・ランクサンが1978年引継ぎ、総てを刷新。2級のトップに踊り出る。畑の一部がサン・ジュリアンに含まれている。メルロの比率の高いワインは、バロンとは対照的に華やかで女性的、優美で気品あふれるユニークな性格。第1級の次に受賞の多いワインを出す。

<品種>ソーヴィニヨン45%、メルロ35%、フラン12%、プティ・ヴェルト8%
<生産量>50,000ケース
<セカンド・ラベル> Reserve de la Comtesse

 

格付け4級

Ch. Duhart-Milon-Rothschild 

デュアール・ミロン・ロートシルト
1855年の格付け当時は、それ以前から高い評価がされていた。その後、100年間ほど所有者は変わらなかったが、1962年ラフィットのロスチャイルド家が買い取る頃は、畑も建物もすかり荒廃していた。
ロスチャイルド家は、その後、畑から醸造設備まで全面改修し、ラフィットと同じ管理下に置き、素晴らしいものに復活させた。1994年シャルル・シュヴァバンが管理担当になって更に磨きがかかった。

<品種>ソーヴィニヨン57%、メルロ21%、フラン20%、プティ・ヴェルト2%
<生産量>17,000ケース
<セカンド・ラベル> Moulin-Duhart

 

格付け5級

Ch. Pontet-Canet 

ポンテ・カネ
1700年代中頃、この畑の創設者ポンテは、ルイ15世の秘書役をも努めた地元の名士。格付け以前は高い名声を誇っていたが、ポンテ家の末期、畑をほったらかしにしたので、格付け時、5級に甘んじなければならなかった。
1865年クリューズ家が買い取り、名声を馳せたが、1974年のワイン暴落時には評判は衰えてしまっていた。現在のオーナーはコニャックで有名なテスロン・ファミリー。近年、ミッシェル・ローランに手を借りて品質向上著しく、バランスのいい ポイヤックの名門として恥じないワインを出している。
畑はダルマイヤックを挟んでムートンの南に接していて、立派なシャトーには地下セラーがある。

<品種>ソーヴィニヨン62%、メルロ32%、フラン6%
<生産量>50,000ケース
<セカンド・ラベル>Les Hauts de Pontet

 

Ch. Batailley 

バタイエ
バタイエとは戦闘の意味。1453年、百年戦争の末期、カスティヨンの戦いで破れた英国兵が逃げてきて、掃討された最後の戦いがこの地だったことによる地名。18世紀初頭ボルドーの有力な酒商ゲスティエ家のものになってから、畑が改良され名前とともに市場に広まった。
現在はネゴシアン・ポリー・マヌー社が所有。ワインは5級を越える実力の安定した品質。密度の高いポイヤックの典型。

<品種>ソーヴィニヨン70%、メルロ25%、フラン5%
<生産量>33,000ケース
<セカンド・ラベル>Ch.Hant-Bages Monpelou (クリュ・ブルジョワ・シュペリュール)

 

Ch. Haut-Batailley

オー・バタイエ
一つだったバタイエの畑を、ゲスティエ家から、ポリー・マノー社の当主ポリー家が、1942年買ったとき、兄弟で2つに分けたもの。
ワインは、バタイエと違って、重厚さでこそ劣るが、柔らかく優美さで勝る。どちらかと言えばサン・ジュリアンタイプ。

<品種>ソーヴィニヨン65%、メルロ25%、フラン10%
<生産量>10,000ケース
<セカンド・ラベル>Ch.La Tour d'Aspic

 

Ch. Grand-Puy-Lacoste 

グラン・ピュイ・ラコス
グラン・ピュイは大きい山の意。小高い丘の頂上にあるから。由緒は古く15世紀。17世紀二人の娘が分けて引ぎ、その嫁ぎ先の家名がラコス。1932年美食家レイモン・デュパンが購入、評判のワインだった。1978年ポリー家が購入、シャトーと醸造所を改修、堅いたちのものを、柔らかで、果実香豊かなものに変え、より評価を高めた。5級のトップクラス。

<品種>ソーヴィニヨン75%、メルロ25%
<生産量>16,700ケース
<セカンド・ラベル>Ch.Lacoste Borie.

 

Ch. Grand-Puy-Ducasse 

グラン・ピュイ・デュカス
1971年ボルドーの大手酒商メストレザ社の所有になった。畑は、当初ムートンとポンテ・カネと隣り合った10haの狭い畑だったが、バタイエとグラン・ビュイ・ラコストに挟まれた地と2つのビジョンと隣合った地の2つを買い入れて拡大し、醸造所の近代化にも力を入れ、ワインは一新。しなやかで、リッチ、楽しめるワイン。

<品種>ソーヴィニヨン60%、メルロ40%
<生産量>11,000ケース
<セカンド・ラベル>Artigues Arnaud

 

Ch. Lynch-Bages 

ランシュ・バージュ
ポイヤックの港の背後に広がるこの畑は16世紀まで遡れる。17世紀後半の名誉革命でフランスに亡命し、ボルドーで羊毛貿易で産を成し、ボルドー市長を輩出したランシュ家が所有。1934年ジャン・シャルル・カズが購入。ポイヤック市長をも努めた息子のアンドレが精力的にワインを改良、今日の名声を獲得。1982年醸造所を根本的に改修。修復されたシャトーと共に丘にそびえている。深みのある色の濃いワインは、ラトゥールト並んで、最もポイヤクらしいワインと言われ、高く評価されている。1855年の格付けが実力に合っていないいい見本。実質的実力は2級クラス。

<品種>ソーヴィニヨン75%、メルロ15%、フラン10%
<生産量>35,000ケース
<セカンド・ラベル>Ch.Haut-Bages-Averous

 

Ch. Lynch-Moussas 

ランシュ・ムサス
ランシュ家のものだったこのシャトーも栄枯盛衰の歴史のなかで、今世紀初頭その名声は地に落ちた。1969年、ボルドーの酒造りの名家ジャン・カステジャが買い取ってから、徹底的な修復が行われ、名声を取り戻しつつある。畑はポイヤックの最も西に飛び出している。ワインはメルロの比率高く、柔らかで、どことなくおとなしく、優雅さを持っている。

<品種>ソーヴィニヨン75%、メルロ25%
<生産量>17,000ケース

 

Ch. d'Armailhavq

  (ダルマイヤック
ムートン・ロートシルトの南に隣接するこの畑は、もとは一つのものだった。1730年頃この部分を時のボルドー議会議長のダルマイヤックが買った。それを、1933年ムートンのロスチャイルド家のフィリップ男爵が買い取った。
ムートン・ロートシルトに吸収してもよかったのだが、ムートンの足を引っ張ることになるのを恐れて分離したままにした。名前も1975年Mouton-Baron-Philippeにした。男爵死後引き継いだ娘が1991年名前を元に戻した。
ワインは、ムートンと同じスタッフが造るが、メルロの比率か高く、軽やかで、熟成も速い女性的な性格。

<品種>ソーヴィニヨン50%、メルロ25%、フラン23%、プティ・ヴェルト8%
<生産量>17,000ケース

 

Ch. Haut-Bages-Liberal 

オー・バーシュ・リベラル
1736年以来ボルドーの商人リベラル家が格付け当時所有していたことによる名前。1960年代クリューズ家が購入、一時期名声は地に落ちていたが、醸造所の徹底的な近代化で名声回復、1983年以降のオーナーは、タイヤン・グループ。おとなしいが調和のある楽しめるワイン。

<品種>ソーヴィニヨン80%、メルロ20%
<生産量>13,300ケース

 

Ch. Pedesclaux 

ペデスクロー
ボルドーの商人ウルバン・ペデスクローが1825年創設。畑は分散している。1950年ジュグラ家が買収。1980年ドゥルト社と提携。品質向上に努める。手堅い造りのワイン。ベルギーが主な輸出先。

<品種>ソーヴィニヨン50%、メルロ45%、フラン5%
<生産量>5,800ケース

 

Ch. Clerc-Milon

クレール・ミロン
18世紀時代のオーナーであったクレール氏の名前をもつこのシャトーを1970年ムートンのロスチャイルド家が買った。買った当時は畑もシャトーも荒廃していたが、畑の再編成や設備の改修を行い、1982年以降、評価の高い、しっかりした香り高いワインを生み出している。

<品種>ソーヴィニヨン70%、メルロ20%、フラン10%
<生産量>13,000ケース

 

 

Ch. Croizet-Bages 

クロワゼ・バージュ)
18世紀クロワゼ兄弟がつくったシャトー。現在はポールクエ家のもの。ワインは風味豊かで、しっかりした骨格を持つ、早く熟して口当たりがいい。結構寿命の保ち、格付けを裏切らない。

<品種>ソーヴィニヨン40%、メルロ45%、フラン15%
<生産量>15,500ケース
<セカンド・ラベル> Enclos de Moncabon

 

 

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