フランスワイン事典
Bordeaux ボルドー
メドック Medoc グラーヴ Graves アントル・ドゥ・メール Entre-deaux-Mers ブライ・ブール Blays・Bourgeais リブルネ Libournais AOC格付け 品種 シャトー・システム 歴史
ボルドー地図
AOCマルゴーの格付けシャトー

 

格付け1級

 Ch. Margaux

マルゴー
理想的オーナーと言われたボルドーの大酒商ジェネステ家が、
1970年代のワインバブルの被害を受け、持ち応えられなくなる。
アメリカの会社が取得しようとしたが、フランスの文化の華、栄光のシンボルでもあるこのシャトーの外国会社の取得は、政府の許可が下りず、1977年になってやっと、流通業のメンツェローブロス社に売り渡すことになった。
新オナーは、多大の資本を投下し、畑の整備、醸造所の改良に努め、陰りのでたワインに再び、栄光を取り戻す。ワイン造りの伝統に則り、芳醇・優美・品格を備えたボルドーワ インの女王である。
<白-Pavillon Blanc de Ch.margaux >もソーヴィニヨン種で造っていて、ボルドー最高の白ワインだが、値段も驚くほど高額。

<品種>カルベネ・ソーヴィニヨン75%、メルロ20%、プティ・ヴェルト&フラン5%
<生産量><赤>33,000ケース (90ha)
<セカンド・ラベル>Pavillon Rouge de Ch.Margaux

 

格付け2級

Ch. Rauzan-Segla

ローザン・ゼグラ
18世紀に起源を持つものの多いメドックのシャト-の中で、1661年まで歴史を遡れる由緒 ある畑である。ボルドーの大酒商ローザンの所有だったが、革命時、分割されてローザン 男爵夫人のものになったのがシャトーと畑(3分の2)。20世紀に入り所有者が度々変わ り、一時期著しく評価を落とした。しかし、現在のオーナー、1994年取得したシャネルが経営 陣や設備を一新、以前の実力を回復した。

<品種>カルベネ・ソーヴィニヨン61%、メルロ35%、フラン2%、プティ・ヴェルト2%
<生産量23,000ケース (51ha)
<セカンド・ラベル>Segla

 

Ch. Rauzan-Gassies

 (ローザン・ガッシー
革命時、ゼグラと分割され、政治家ガッシーの手に渡ったものが現在の畑(3分の1)。そ れゆえ、シャトーらしきののがなく、白い地味な醸造所があるだけ。フィロキセラや二つ の大戦という激動の歴史の中で、過去の名声を喪失した。戦後ポール・クエが買い取り、 その子孫が回復に努めていたが、2級に値しないと言われてきた。
しかし、ジャン・ルイ・カンが責任者となってからは、すっかり変わり、1994年からは、 ボディ、濃い色調、鮮明さを取り戻し、クリュ・クラッセらしい気品を取り戻した。

<品種>カルベネ・ソーヴィニヨン65%、メルロ25%、フラン10%、
<生産量>13,300ケース (28ha)
<セカンド・ラベル>Enclos de Moncabon

 

Ch. Durfort-Vivens

  (デュルフォール・ヴィヴァン
15世紀まで遡れる歴史を持つが、1824年ヴィヴァン子爵の所有になり、現在の名前になる。 大恐慌以降は、シャトー・マルゴーの持ち主だったジェネステ家のものだった。ジネステ 家の没落と共に、名声も失われつつあったが、1961年酒造の妙手リュシアン・ルルトンに より畑だけ買い取られ回復。現在、息子のゴンザグが引き継ぎ、腰の強いワインを造って いる。
カルベネの比率が高く、熟成に時間を掛ければ、マルゴーらしさを発揮すると言われている。

<品種>カルベネ・ソーヴィニヨン70%、メルロ15%、フラン15%
<生産量>5,000ケース (30ha)
<セカンド・ラベル> second de Durfort

 

Ch. Lascombes

ラスコンプ
1700年代の創設期から名声を保ち続け、オーナーの変わらないシャトーの一つだったが、 20世紀に入って名声は地に落ちた。が、あの名著「フランスワイン」の著者で、ワイン商 でもあったアレクシス・リシーヌの努力により名声を回復した。1971年、英国のビール会 社バス・チャリントン社の傘下になり、畑も拡げ、醸造所をはじめビクトリア朝のシャト ーにも新たに資本投下され、広壮なものになった。
現在の所有者は、米国年金ファンドグループのコロニー。
畑はシャトウーを中心に固まっていないで、無数に散在しているので、畑による選別を厳 しくして、質的向上を計っている。英米での評価は抜群。

<品種>カルベネ・ソーヴィニヨン55%、メルロ40%、プティ・ヴェルト5%
<生産量>41,500ケース (83ha)
<セカンド・ラベル> Chevalier de Lascombes

 

Ch. Brane-Cantenac

ブラーヌ・カントナック
河から一番離れた小高い丘にあり、畑は広大。 ブラーヌ・カントナックの名前と
1855年かち取った名声は、当時醸造家としても名高い ブラーヌ男爵によっている。現在のオナーは、醸造家のルルトン一族のアンリ・ルルトン。
広大な畑から、年43万本のワインを産出している。ワインは、軽いと言う評価もあるが、 果実香豊かで、柔らかで優美な味わいは傑出している。

<品種>カルベネ・ソーヴィニヨン70%、メルロ20%、フラン10%
<生産量>36,500ケース (90ha)
<セカンド・ラベル> Le Baron Brane

 

格付け3級

Ch. Kirwan

キルワン
1147年まで歴史を遡れる古いシャトー。フランス革命前のオーナーがアイリッシュ系だっ たので、このケルト語に由来する名前がついた。
現在はボルドーのワイン商シュレデール社がオーナー。
一時期すこぶる評判が落ちたが、同社が改革に本腰を入れたので、78年以降その評価は回 復している。ワインの質的向上を狙った、コンサルタント:ミシェル・ロランの計画のセ カンド・ラベルが誕生し、1995年以降、更に優れたワインが造られている。

<品種>カルヴェネソーヴィニヨン40%、メルロ30%、フラン20%、プティ・ヴェルト10%
<生産量>17,800ケース (35ha)
<セカンド・ラベル>Les Charmes de Kirwan

 

Ch. d'Issan 

ディッサン
ボルドーが英国領になる1152年のエレオノール妃の結婚式に使われたのは、このワインだ ったと言われる程の歴史的シャトー。17世紀初頭に建てられた城館が中世の濠の中に美し い姿を見せている。
長い歳月と大戦でひどく荒らされたが、終戦直後ボルドーの大酒商クリューズ社がオーナ ーになり再興に努めた結果、昔の栄光を取り戻した。オーナーの孫のエマニュエル・クリ ューズが1994年に引き継いでからのワインの向上は、めざましいものがある。
ワインは、カルベネの比率が高く、性格は長寿で、艶やかな個性を持つ。

<品種>カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロ30%
<生産量>12,500ケース
<セカンド・ラベル>Blason d'Issan

 

Ch. Giscours

  (ジスクール
1952年以降、タリ家が所有。同家の丹精こめた手入れで品質向上。特に英国ギルビー社と業務提携により、 英米で名声を確立。マルゴーACの中で重要なシャトーになっている。
1995年以降、オランダのGFAが所有、更なる改良を加え、品質を根底から改善させた。
色に深みのあるワインは、ブーケもその芳醇さと果実味とうまく溶け合い、マルゴーの一つの典型。

<品種>カベルネ・ソーヴィニヨン53%、メルロ42%、プティ・ヴェルト&フラン5%
<生産量>20,000ケース (80ha)
<セカンド・ラベル> La Sirene de Giscours
<セカンド・ラベル>Ch.Hant-Bages Monpelou

 

Ch. Malescot-St-Exuperi

マレスコ・サン・テグジュペリ
16世紀まで遡れる歴史を持つが、フィロキセラ、第1次、第2次大戦に耐えきれず荒廃した。しかし、
1955年アルザスのポール・ジュジェールが買い取り、息子と共に心血を注い だため、品質も驚くほど向上、現在の評価は抜群。
畑は、マルゴー村(Ch.マルゴーの畑の隣)とスーサン村に分かれている。土壌が特殊な砂 利系でメルロの比率が高い。マルゴーの中ではユニークな性格を持つ。

<品種>ソーヴィニヨン50%、メルロ35%、フラン10%、プティ・ヴェルト5%
<生産量>14,000ケース (23.5ha)
<セカンド・ラベル>Ch.Loyac

 

Ch. Boyd-Cantenac

ボイド・カントナック
1860年には、畑の多くをカントナック・ブラウンに併合され、長い間名前が消えていた。 畑が、隣の「Ch.プジェ」の所有に1920年になって、この名前を名乗れるようになった が、82年まで、ワインはピエール・ギュメの所有するCh.プジェで造られていた。
輸出に力を入れたので、英国・オランダの海外市場で名を知られていたが、ワインはいまいち だった。
1990年代後半に大改革が行われ、最近になってようやく、格付けらしいワインが出来るようになった。

<品種>ソーヴィニヨン66%、メルロ30%、プティ・ヴェルト4%
<生産量>7,500ケース (18ha)

 

Ch. Cantenac-Brown

カントナック・ブラウン
英国系の酒商のジョン・ルイス・ブラウンの所有するものであったので、この英国風の名 前を持つ。シャトーは、英国様式の華やかな建物で、カントナックの台地の目立つ存在。 現在のオーナーはビジョン・バロンを持つAXA。
このワインも英国・オランダで名を知られている。ばらつきのあったワインも、近年改良 され、評価は上がっている。
ワインは、古典的。堅く、熟成に時間がかかる。どちらかといえば、ポイヤック的で、マ ルゴーらしくない異色の存在。

<品種>ソーヴィニヨン65%、メルロ25%、フラン10%
<生産量>12,500ケース (32ha)
<セカンド・ラベル>Ch.Canuet

 

Ch. Palmer

パルメ
ナポレオンを破ったウェリントン将軍の幕僚の一人パルメ将軍がボルドーへ来て手に入れ たためこの名前がついた。
その後、ロスチャイルドと対抗した金融家イザーク・ペレールが第二次大戦前まで所有。 現在は、英国のシシェル社とオランダのメーラー・ベス、仏のブーティユ家の共有。その 関係で、シャトーに3カ国の旗がひらめいている。
格付けは3級だが、現在の取引価格は、2級のトップ。年によっては、1級シャトウーを抜 くと言われている。「スパー・セカンド」の呼び名を与えられた最初のワイン。

<品種>ソーヴィニヨン47%、メルロ47%、プティ・ヴェルト6%
<生産量>12,000ケース (52ha)
<セカンド・ラベル> Alto Ego (このセカンド・ラベルもスパー)

 

Ch. Desmirail 

デスミライュ
1855年の格付け当時は、名声をはせていたが、その後のフィロキセラや大戦で荒廃し、格 付けから消え、幽霊的存在であった。
戦後、酒造りの名手ルルトンが徐々に買い取り、80年シャトウを名乗る権利を得た。81年 が最初の壜詰になった。現在、息子のドニが引継いでいる。
ワインは、香り高く、柔らかく、優雅。女性的マルゴー。残念なことに、年によっては、 ブーケと気品に欠ける。

<品種>ソーヴィニヨン70%、メルロ25%、フラン5%
<生産量>5,000ケース (28ha)
<セカンド・ラベル> Ch.Fontarney

 

Ch. Ferriere

  (フェリエール
畑はマルゴーの中心部にある。しかし、1960年以降、管理運営はシャトー・ラスコンプが 賃貸して行っていたが、平凡なブランド・ワインしか生産していなかった。1992年、ヴィ ラール家が畑を買い取った。
またたく間に、クレール・ヴィラールが、この畑の持つ潜在能力を開花させ、名声を回復 させ、コンスタントに良質なワインを産出している。
*ヴィラール家・・・格付けシャトーに優るとも劣らないブルジョワ級のトップのムーリ スのCh.Chasse-Spleen(シャッス・スプレーン)のオーナー&醸造家。

<品種>ソーヴィニヨン75%、メルロ20%、プティ・ヴェルト5%
<生産量>4,000ケース (8ha)
<セカンド・ラベル> Les Remparts de Ferriere

 

Ch. Marquis-d'Alesme-Becker 

マルキ・ダレーム・ベッカー
ラベルの蹄鉄のデザインは、王家の騎馬職を司っていたダレーム侯爵が1585年創設したこ とによる。古い歴史を持つから、オーナーは転々とし、栄枯盛衰を経ている。
現在、サン・テグジュペリを所有するアルザスのポール・ジュジェールのものだが、まだ、 格付け3級にふさわしい品質までには到っていない。

<品種>ソーヴィニヨン30%、メルロ45%、フラン15%、プティ・ヴェルト10%
<生産量>9,000ケース  (15.5ha)
<セカンド・ラベル> Marquis d'Alesme

 

格付け4級

Ch. Pouget

プージェ
畑が隣に接するボイド・カントナックと同じオーナー。かっては同じここの醸造所で造っ ていたが、1983年以降、別に新設した。
1990年代にこのA全体での広範囲の改良がなされたが、このワインは完全に落ちこぼれて しまって、格付けに全くふさわしくない。

<品種>ソーヴィニヨン66%、メルロ30%、フラン4%
<生産量>4,400ケース (10ha)

 

Ch. Prieure-Lichine

プリューレ・リシーヌ
ワインのバイブル「フランスワイン」の著者ロシア系のリシーヌが著作とワインビジネス での成功の後、このシャトウを手に入れ、住居としても使っていた。
リシ-ヌの情熱と近代技術の導入で、英米での人気抜群だったが、80~90年代後半にかけ ては深みに欠けるところもあったと言われていた。1999年息子のサーシャはバランド家に ここを売却した。
新オーナーはクリュのスタイルを根底から改善、今では、魅力的に熟成された、風味の高 い肉厚なマルゴーが作られている。

*リシーヌ著作の集大成「Encyclopedia Wine and Spirits」は、今も改訂版が続いている。

<品種>ソーヴィニヨン56%、メルロ34%、プティ・ヴェルト10%
<生産量>38,000ケース (70ha)
<セカンド・ラベル> Le Cloitre du Ch. Prieure-Lichne

 

Ch. Marquis-de-Terme

マルキ・ド・テルム)
1800年代に侯爵によって作られたのでこの名前を持つ。現在のオーナーは、1936年に買っ たマルセイユの商人セネクローズ家のもの。仏国内市場で直接販売されてしまうので、海 外ではあまり知られていない。
最新設備がなされ、畑もよく手入れがなされていて、80年代は格付けにふさわしいマルゴ ーの一つだったが、90年代一時期品質を落とした。近年、栄光の復活が強く感じられる。
ワインは重厚さこそ無いが、軽やかで親しみやすい独特な魅力を持っている。

<品種>ソーヴィニヨン55%、メルロ35%、プティ・ヴェルト7%、フラン3%
<生産量>16,000ケース (38ha)
<セカンド・ラベル> Terme des Goudats

 

格付け5級

Ch. Dauzac

ドーザック)
ラバルドにあるこクリュは、長い間誰にも顧みられず世に埋もれていた。1988年仏の大手 保険会社に回収され、1993年経営の再編成が行われ、共同組合として生まれ変わった。
アンドレ・リュルトンの指揮の下に、引き締まった濃厚な果実味のあるワインを生み出し ている。エレガントさこそ少ないが、ボディーのある肉厚なスタイルは魅力に溢れている。

<品種>ソーヴィニヨン58%、メルロ37%、フラン5%
<生産量>29,000ケース (40ha)
<セカンド・ラベル> Ch.Labarde and Bastide

 

Ch. du Tertre 

デュ・テルトル)
Tertreは、小高い土地を意味している。その名の通り、畑はアルザック村の小高い丘にある。土壌は典型的な砂利質。 1998年近隣のジクスールに買収された。最高のテロワールに位置しているにも関わらず、満足のいくワインが出来なかったが、 この買収によって、持っている潜在能力を発揮できるようになった。
今では、しっかり充実していて、力強く、カベルネの持ち味をよく示したマルゴーを造りだしている。

<品種>ソーヴィニヨン40%、メルロ35%、フラン20%、プティ・ヴェルト5%
<生産量>15,000ケース(50ha)
<セカンド・ラベル> Les Hauts du Tertre

 

 

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